DOUBTFUL AS DOUBLE(ダウトフルアズダブル)というブランドを知っているだろうか。
いや、あまり知られているとは思わない。
このファッションブランドが、世界的なファッションアイコン2名によって作られたブランドであるにも関わらず、である。
この、 DOUBTFUL AS DOUBLE は2014年にA BATHING APE(アベイシングエイプ)で有名なNIGO氏と、WTAPS創業者の西山徹氏との両名により立ち上げられたブランドであり、この創業者だけを見るといかにも超大物ブランドの佇まいをしている。
しかし2019年現在のホームページをよく見ると、COLLECTIONが「2015 SEASON 1」から更新されていないことに気づく。
SEASON 1、という書き方はいかにもこの先もSEASON 2,3,,,と続いていくような、先を見据えた書き方に他ならない。
立ち上げ当初はそういった、継続的にCOLLECTIONを展望させていく予定だったのであろう。
しかし、実際はこの1発で終わってしまった、実に短命なブランドであったと言わざるを得ない。
かの有名な彼ら二人によるブランドであったにもかかわらず、である。
この DOUBTFUL AS DOUBLE が完全に失敗しているという事実を最もよく示しているのが、彼らがブランドを展開しているZOZOTOWN内特設サイトである。
ZOZOTOWN内特設サイト
リンク先では、すべての商品が80%OFFのセール品として出品されている惨状を目の当たりにすることができるはずだ。
これは仮にSEASON 1で終わらせる予定だったと言い訳しても通らないレベルの売れ残りっぷりであることを示しているのではないだろうか。
一般的に、こういったブランドの世界のような人気商売は、一度その人気を確立してしまいさえすれば後続の事業でも自ずと数字を獲得できるものだと思っていた。
ましてやNIGO氏や西山氏のような、世界的に自信のネームバリューを確立している人間であればなおさらそういうものだと思っていた。
しかし逆に言えば安堵を覚えたというのも正直な感想である。
この、 DOUBTFUL AS DOUBLE の失敗(と言い切るわけにもいかないが)は同時に、こういったクリエイティブの世界が本当に「イケてるかイケてないか」によって評価されるということを教えてくれているようにも思う。
デザイナーの名前や、過去の実績なんかは関係なく、純粋に質がいいものが求められるようになっている現代のクリエイティブの世界では、逆を言えばすべての人に対して成功をつかむための扉が開かれている。